男女問題はいつも面倒だ

 女はどうだこうだ、男はどうだこうだ。こういった「男」「女」というくくりで話をすると、それだけで怒る人がいます。「ひとくくりにして語るなボケ!」と。

 しかし、やはり男と女はどう考えても別物で、出産できる男性はいないし、射精できる女性はいません。男が体験できないこと、たとえば「処女喪失の痛み」や「出産の痛み」「生理痛」「バイブを使ったときの気持ちよさ」などについては、わたしが男性であるので語れません。語り得ないことについては、沈黙しなければならない。そこで女性にはわからない体験に付いて語りたいと思います。

 女が体験できないものの筆頭としてあげたいのが、「キンタマをぶつけたときの痛さ」です。というわけでこれから「キンタマをぶつけたときの痛さ」について語るわけですが、女性のみなさんはイマジネーションを豊かにした下さい。

 季節は春。あなたは彼女と公園のベンチで話をしています。近くではキャッチボールをしている小学生達がいます。「なあ、幸子。小学生達は無邪気で可愛いね。」「うん。」「でも、幸子。君の方が可愛いよ。」「ありがと。」こんなホットな会話が交わされています。

 さあ、昼ご飯。お弁当の包みを開け、彼女が手作りの卵焼きを口に運んでくれます。「ゆうくん、あーん」「あーん」「どう、おいしい?」

 丁度そのときです。小学生の投げたボールが美しい放物線を描いてゆうくんのタマタマに直撃。「玉が玉に直撃かよ!」「タマタマにたまたまぶつかった!」普段のゆうくんだったなら、そんなダジャレを咄嗟に思いつくことでしょう。

 ところがゆうくん、あまりの痛みで声も出ません。目には涙が。それどころか彼女に口に入れて貰った卵焼きを彼女の顔目がけて噴射してしまう始末です。「うん、おいしブッ!!!」

 このときの痛みを表す表現としてよく、「う”」や「あ”」や「グ」などが使われますが、これらではまだまだ十分に表現できているとは思えません。

 わたしはひらがな一文字を選べといわれれば、「に」では無いかと思います。さらに言わさせて貰えば、「に」+「!」+「 」(空白)を3で割ったものであると考えます。キンタマの痛みには激しい衝撃と一瞬の空白があるからです。「に」で身体的衝撃を、「!」で脳に伝わる瞬間の衝撃を、「 」で空白の瞬間を表しているのです。どれかひとつが欠けても痛みを表現するのに十分ではありません。

 ちなみに「タマ袋をズボンのチャックに挟んだときの痛み」もなかなかのものです。ひらがな一文字で表すなら「ヒ」です。「自慰で射精したときの気持ちよさ」は「→」+「ヌ」+「↑」+「う」+「ふぅスッキリ」+「ああ、でもチョット空しいかも」です。自慰じゃない場合は最後がありません。

 ゆうくんと幸子の話はもうどうでも良くなってきたので、ここらへんで話を終わりにさせていただきたいと思います。無理矢理エンディングをつけるならば、ゆうくんが卵焼きを噴射してしまったことが原因でケンカ。一ヶ月後に分かれたことにしておきましょう。

戻る