時代は変わる

 わたしは文章を書くという行為が好きなんですが、パソコンで文章を書くという行為はもっとすきなのです。大多数の人はパソコンなりワープロ専用機なりで初めて触れ、キーボードを叩き、文字が表示された瞬間に感じた「すげえよ!」という感動を覚えているでしょう。わたしは今ですら毎回、その感動を味わっている気がするのです。その感動を味わうためにパソコンを使っているような気さえします。それでほとんど毎日パソコンに向かってはキーボードを打ち、文章を書くのだろうとおもいます。頭で考えたことを指でうち、それが画面に表示される。考えるたびになんともロマンチックであると思うのはわたしだけでしょうか。

 考えてみると近頃ではパソコンが当たり前になって、赤ちゃんのうちからパソコンを使っている子ども達がいますが、もちろんのことながら、こういった子ども達は「初めてキーボードを打った時の感動」を知らないでしょう。わたしたちが、「初めてテレビのスイッチを回して画面に映ったのを見たときの感動」や「初めて電話が通じたときの感動」を知らないのと同じように。なにしろ生まれたときから当たり前にあるのですから。

 やはり将来的にはわれわれも時代の生き証人みたいになってくんでしょうね。「じいちゃんがな、はじめてキーボードをうったのは、そうじゃなぁ、いまから60年以上もまえのことじゃったな。そんときは感動したモンじゃな、おー画面に文字がでたぞってな、ウンウン感動したなぁ、ハハハ」なんて感じで。

 楽しみだなぁ、早く若いヤツらに自慢したいなぁ。

戻る