大学生の憂鬱

 大学の授業は通常、一週間に10コマ以上ある。12〜15くらいが普通なのではないだろうか。であるからにして、すべての授業に全力投球するのは不可能なわけで、コレはやっとかないとヤバい、卒業もままならねぇ、というような2つか3つくらいの授業以外は手を抜いて、適当にチャッチャと切り抜けようとするのが普通である。そうでないまじめなヤツもいることはいるが、そんなのは例外と言えよう。

 ところが教授の中には、他の授業があることなど知らないかのように、「こんなこと知らないとは話になりませんよ、まったく困りますね。」とか言うヤツがいるからこまる。そんなの誰もしらねぇよ。しかも、教授というものは大体そうなのだか、全員が研究者を目指すかという錯覚をしているのではないか、と思うひとが多い。とにかく専門バカというのは困ったモンだ。

 しかも、不思議なことに教授というものはだいたいが年寄りなモンだから、記憶が一週間以上持たないらしく、一週間前にいったことを繰り返し繰り返し言ったりして、デジャヴかと思ってしまう事すらあるのだ。さらに、最悪なのはヤツらがダジャレがだいすきで、教室全体が凍り付くような微塵も面白くないダジャレを連発しては一人悦に入り、一人で吹き出すと言うことだ。さらに声が必要以上にデカいために、机に突っ伏して寝ることもままならず、読書に専念することも不可能となる。というわけで、わたしはよく文章を書いているのだが、この文章も授業中に書いた文章をあとでパソコンで打ち直したものである。

 授業中にやることといったらだいたい、最初の10分間授業を聞き、授業に飽きてくると本をよみ、文章を書き、昼飯や夕飯に何を食うかを考える。さらに飽きてくると、前にすわっている女の子の髪の毛のニオイを嗅ぐために、前傾姿勢になって空気を肺いっぱいに吸い込んでみたり、斜め前に座っている女の子の白い太股を観察してみたりするものである。そうしている内に妄想がふくらんできて、その結果として、股間もふくらんできて、「あぁ〜」とかため息を漏らしたあたりで授業がおわる。大体コレがわたしの授業のパターンなのだ。

 「あぁ〜」というため息は、「あの太股をグイッとつかみてぇなぁ」という気持ちが半分、「なぜオレは高い授業料を払って、満員電車の苦痛を耐えてわざわざ学校まできてこんな事をしているのだろう。オレの人生はまちがっているのか、それともオレがこの学校に入ったのは間違いだったのか」という気持ちが半分なのだ。

 大学生活は憂鬱なものである。

戻る