好き嫌いが多くて悪いか

  わたしは比較的食べ物の好き嫌いが多い方で、友達なんかと食事にいって、「おれ、これ、にがて。」とかいってダンディーに食べ物を残そうとすると、「お前はわがままだ。神様に感謝してなんでもくえ。お前はそれでも人間か。アフリカやアジアじゃ食料不足でたくさんの子どもが飢えに苦しんでる。なかには死ぬモノさえいるのだ。くえ。」という、わたしを責めるかのような目つきで見られる。しかし、わたしはダンディーだから「ここは世界に名だたる飽食国家のニッポンであり、食う物はいっぱいあるから、残してもいいんだ。」なんてことは言わず、クールに水で流し込んで食うのだが、はたして食べ物の好き嫌いはいけないことなのか?わたしは常々そのことが疑問であった。

 好き嫌いがない、オレはなんでも食うぜ、とか言ってグローバルを気取ってるヤツでも徹底的に探っていくと、必ずしや一つくらいは嫌いな物があるものである。わたしは人と会うと必ず嫌いな物が無いか徹底的に洗いざらい、それこそ根こそぎ聞き出す癖があり、「おまえってなんでそんなに食べ物の好き嫌いにこだわるの?」と聞かれたことは一度や二度では済まされないほど、好き嫌いに関しては強い関心を抱いている。それで、好き嫌いに関してはわたしの右にでるものがいないと言われている。

 これまで好き嫌いを調べてきて、「好き嫌いなんかない」というヤツの意外な盲点は、漬け物と飲物である。たとえば、フクジンズケ、ラッキョウ、ニンニクのたまり漬け、とか、タクアンとか、そこらへん。あと飲物は牛乳やコーヒーや紅茶が飲めないという人間は意外と多いので追求してみると良いだろう。それでもダメならナマコ、ウニ、ハチの子、熊の手、サルの脳、トラのチンコとかを追求してみるとよい。

 トラのチンコなんか食べたことが無い人間は多く、「トラのチンコ?そんなモンくったことないなぁ。でもトラのチンコだろ、そりゃくいたくねぇな」とかいうハズである。そうしたらアナタが追求する番である。「おまえは、トラのチンコも食ったことが無いのか?食ったことも無いのに好き嫌いなんかないと言えるのか。オレを責めるのはトラのチンコを食ってからにしろ!!コラァ!!」とリベンジをはかるのだ。

 と、なぜわたしがここまで好き嫌いのない人間を責め立てているのか、自分自身よく分からなくなってきたので、ここらへんで終わりにするが、やっぱり「好き嫌い無いよ」とか、さり気なくサラッと言ってのけるヤツは「オレは完璧人間だ」と言っているような気がしてイヤなモンだよね。

 さて、ここまで言ったワタシが何が嫌いかというと、、ズバリ、シイタケである。「ズバリ」にいったいなんの意味があったのか、と思ったかもしれないが、それはさておき、シイタケは不味い。だからイヤ。いいじゃん、好き嫌いがあったって。

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