辞書を読もう

 世の中には、もうどうしょもなく暗く、暗く、それはまぁ、網走の午前3時のようにくらぁーい人間がいて、それはそれは絶対に頭に入れておくべき事である。わたしにもそんな時がある。いや、あった。いや、あったのだった。かつて、わたしにも暗い時期があった。いや、いまでもあるのかも。いやいや、そんなこと言わないでください、ぼくには妻子がおりますので。

 と、最近では毎日がエヴリデイ、毎年がエヴリイヤーな感じで大変ハッピーな毎日を送っているのだが、とはいえ、たまーには暗い暗黒の谷に落ちることもなきにしもあらずなのである。と、そんなときに是非是非お奨めしたいのが、辞書を読むという行為です。「そんなことしたら、もっともっとブルーになっちまいまっせ」と思った、アンタ。甘い。アナタは辞書を読んだことがありますか?辞書のすばらしさをしっていますか?すばらしぃですねぇ、辞書って、なんて素晴らしいのでしょう、辞書って、いいですねぇ、辞書って、さいなら、さいなら、さいなら、とヨトガワ氏を忍びつつ、辞書の素晴らしき効用について語っていきたい。

 まず、辞書はデカイものを選びたい。しかし26巻物の百科事典とかでなく、1巻完結の辞書がよい。お奨めは広辞苑とか、デカイ英和辞典とかもよろしい。辞書を手に入れたら、さて読んでみましょう。しかし、ちょっとまってください。普通に読んではいけません。それではあまりにオーソドックスでベーシック、かつノーマル、つまりは平凡な行為だからです。

 辞書を手に入れたらまずベッドに横たわり逆さに持ちます。つまり広辞苑で言えば字を上から下に読む状態ではなく、下から上へ読む状態にするのです。すると、どうでしょう、大概の人間であれば、ただでさえちっこい字でよみづらく、かつ内容も無味乾燥した物のため、目がチカチカし、読む気が失せてくることでしょう。しかし、それで満足してはなりません。読む気が失せても必至で字を下から上に追うのです。そうするとどうでしょう、いつのまにか強烈な眠気があなたをおそうのは間違いありません。そうしたらまたしても辞書の出番です。辞書を閉じて頭の下にひく、つまり、辞書を枕代わりにするのです。そう、それがデカイ辞書を選んだ唯一の理由です。

 最初は堅くて眠りづらいかもしれません。そうしたらまた辞書をよんで眠気を復活させることをおすすめします。

 さて、一眠りしました。目が覚めました。するとどうでしょう、あなたのココロは爽やかに晴れ渡る日のチチカカ湖の湖面ように明るくなっているはず。いや絶対なっています。なっているに違いありません。そう、気分が沈んだとき、一番よいのは睡眠を取ることなのです。

 いやぁ、やっぱり辞書はすばらしいですな。

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