現代日本が求める人物像について

 いまだ混迷をつづける日本経済。相変わらずの日本政治。その中でひとり気を吐く男がいる。その男こそ、知る人は知ってる、知らない人は知らない、でもけっこうみんな知ってて、知らないとバカにされたりする、長野県知事、田中康夫ことヤスオちゃんである。一度議会の不信任にあったものの、再び投票によって再選するなど、大人気の男である。今回はこのナイス中年男であるヤスオちゃんから学んでみようというのがテーマである。

 さて、ヤスオちゃんといえばもともとの本業は作家であり、作品としてはなんといっても代表作『なんとなくクリスタル』が有名である。まず、『なんとなくクリスタル』というタイトルについてじっくりと考えてみたい。じっくりと考えることを難しく言うと熟考(じゅっこう)するという。さて、タイトルを熟考してみようとすると、まずぶち当たる壁が、「なんとなく」とはどういう意味かということだ。「なんとなく」という言葉は簡単なようで実は不快。もとい深い。言い換えるならば、「ぼくはその気はなかったんだけれど、みんながやった方がいいっていうし、みんなもやってるから、それで・・・」という感じ。あるいは、「だってぇ、ユーコもカナもやってるしー、それに誰にも迷惑欠けてるわけじゃないしぃー、つーかー、わたしの体だしー、みたいなぁ・・・」という感じである。大体感じはつかめただろう。彼および彼女に共通するのは、自分で決定することができないということであり、これはすなわち、「おこちゃま」であるということだ。つまり、ヤスオちゃんの一面としてこの「幼児性」があげられる。

 次にヤスオちゃんといえば、ガラス張りの透明オフィスが有名である。オフィスをガラス張りにし透明にすることによって、秘密をなくし、開かれた県政を目指すというのがその理念である。しかし、ガラス張りにして見えるようにしたところで、県政自体が「透明」になるというのは大間違いである。わたしが推測するに、実はヤスオちゃんは見られることが気持ちいいのだ。見られることが快楽なのだ。ここで分かるヤスオちゃんの一面は「露出狂」ということである。

 最後に、ヤスオちゃんといえば胸に付けている変なブローチみたいな物が有名である。トレードマークとなってしまっているが、アレはカモシカで「やっしー」というらしい。さらに服装も従来の知事や政治家に比べるならば奇抜とも言えるファッションがおおい。わたしが推測するにヤスオちゃんは本当はもっと奇抜な、たとえば学生服だとか、ナース服だとか、セーラー服だとかを着たいのだが、「さすがにまずい」とおもって着ていないだけだと思われる。ここで分かるのは「コスプレ好き」ということである。

 以上の3点、つまり「幼児性」「露出狂」「コスプレ好き」と言うことを合わせて考えると、ヤスオちゃんの全体像、すなわち現代が求めている人物像がが見えてくる。
 結論。ヤスオちゃんは「変態」である。つまり、現代が求めているのは「変態」である。

 少年よ変態になれ!おにーさんはもうなってるぞ!

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