面接必勝法

 常に新しい事に挑もうとする精神はいつの時代も求められる。

 社会はイェスマンや、ありきたりの人材を求めていないのである。しかし、何事に関しても新機軸や新趣向を展開しようとすればいいというものではない。その最たる物が年賀状だとか暑中見舞いだとか、ってハガキばかりですが。いや他にもいろいろあって例えば面接である。

 バイトだとか就職だとか、学校の入学試験だとか面接する機会も多い昨今である。しかし、面接というのは大変むづかしい。実は新機軸や新趣向をだそうとしてもいけないのだが、かといってマニュアルどうりではいけない。

 以前わたしは、とある地方自治体の人事担当課長とお話しする機会があったのだが、「マニュアルどうり君はダメだね。マニュアルどうり君はダメだね。マニュアルどうり君はダメだね。マニュアルどうり君はダメだね。マニュアルどうり君はダメだね。」と五回も繰り返し言うほど強く強く強調していた。五回も繰り返したのは酔っぱらっていたせいもある。

 そこで、読者のみなさまにはわたしと、わたしの友人達、およびその他の経験をもとに、どのような新機軸は可能であり、どのような新機軸は認められないのか、そこのところを学び取ってもらいたい。
 
ケースその1 わたしの場合
志望動機を書かない→不合格
 
二つのところで面接があったので二つ履歴書を書いていたら、まちがってまだ完成していない方の履歴書をもっていってしまい、見事不合格。「履歴書をだしてください」といわれ、名前、学歴、住所など、必要最低限の事を書いた以外、空白の履歴書が封筒から出てきたときは我ながら焦ったが、ここは弁舌で挽回とばかりに熱弁をふるおうとしたが、面接官がビジュアル的には三瓶そっくりの頭の悪そうな中年男で何の質問もしてこない。志望動機はやっぱ必須みたいです。
 
ケースその2 大阪人の友人Fの場合
「好きな芸能人はラビット関根」と書く→合格
 
関根勤ではなくラビット関根とかくところが、きわめて重要である。Fは大学に入るために東京に上京した、きわめて逞しい男だが、渋谷にあるカラオケボックスのバイトの面接で、こう書いた。結果、面接官がシャレのわかる人だったらしく、関根勤ネタでひとしきり盛り上がり、面接にも合格したらしい。しかし、これは極めて運のよいケースと言えるだろう。通常の場合の合格率は10%〜20%程度であるとおもわれる。しかし、よくよく冷静になって考えてみると「好きな芸能人はラビット関根」と履歴書にかく行為は本当に面白いのか、疑問である。
 
ケースその3 山崎洋一郎氏の場合
面接官に金を借りる→合格
 
山崎氏は音楽雑誌「ロッキング・オン・ジャパン」の編集長様である。山崎氏の面接は渋谷陽一氏と松村雄策氏によって行われ、面接終了後、帰りに電車賃を借りたという(渋谷陽一+松村雄策『40過ぎてからのロック』による)。結果、「面接官に金をかりようなどというような奴こそ、絶対に入れるべきだ」という松村氏の主張により見事、ロッキン・オン社に入社したという。競争率1000倍とも2000倍とも言われる極めて倍率の高いロッキン・オン社に入社できたというのであるから、「面接官に金を借りる」という行為は明らかに効果があったといえる。
 
というわけで、もう書くのも疲れたので結論。
 
結論。
「面接官に金を借りるべし」

戻る