ジョンQ 最後の決断(2002/米)

監督:ニック・カサヴェテス
出演:デンゼル・ワシントン、ロバート・デュヴァル、ジェームズ・ウッズ、アン・ヘッシュ、レイ・リオッタ、キンバリー・ユリス、エディ・グリフィン、ショーン・ハトシー、ダニエル・E・スミス


 デンゼル・ワシントン演ずるジョン・Q・アーチボルトは不況による収入減に苦しみながらも、妻とボディービルが大好きな一人の息子と幸せな家庭生活を送っている。ある日突然息子が倒れ、助ける唯一の手段は心臓移植だとわかる。ジョンは方々に手を尽くすものの、どれもうまくいかない。万策尽き果てたジョンは病院をロックし医師たちと患者を人質にとって息子の名前を心臓移植のリストに載せるように要求する。

 幸せな家庭の様子(ケンカとか)、生活に困窮している様子、万策尽き果てる課程、「See you later」と「Good Bye」とか、一つ一つのシーンが丁寧にキッチリ構成され、描かれているので、メッセージばかりが目立って鼻につくということがない。医師や病院の経営者など、いわゆる「悪役」的な人たちも人間的に悪いのではなく、みな普通の人間であるものの、こういったシステムの中ではそう動かざるを得ないのだ、ということが分かるように描かれているところがいい。

 音楽がやたらとうるさくて、耳障りな点は気に入らない。デンゼル・ワシントン、ミッチを演じたショーン・ハトシー、ロバート・デュバルなど俳優が気合いの入った演技をしてすばらしい。映画館で見たので涙はでなかったけど、家で見てたらかなり号泣だったな、これ。

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