ウラジミールからの電話 第三話「アルバイト」
携帯電話が鳴った。ウラジミールからの電話だ。
「ボス、困りました。」
「おう、どうした、ウラジミール。」
「わたしバイトしてたんですが、」
「おう、知ってるぞ、電気屋だったっけ。」
「そうです、ヨコシマカメラって電気屋でバイトしてたんですが、」
「どうかしたのか。」
「はい・・・・それが・・・・」
「ん?いってみろ。」
「ちょうどきのうが給料日だったんですが、」
「うむ。」
「給料が振り込まれてないんですよ。」
「うーむ、それはちゃんと店に言うべきだな。振り込まれてない、って店に言ったか?」
「はい、そしたら、契約書をちゃんと見ろって言われたんですね、」
「うむ。」
「それで見てみたら、びっくりしました。」
「なんて書いてあったんだ?」
「「年中無給の店 ヨコシマカメラ」って書いてあったんです。」
「うーむ。」
「ボス、どうしたらいいすかね?」
「座布団一枚!」
ウラジミール、不法就労疑惑。
 
つづく
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