社長の決断(2)
秘書「お茶をおもちしました。」
社長「おー、ありがとう。ハハハ」
秘書「きょうの打ち合わせですが、五時から第一会議室になります。」
社長「バカモノ!!第一会議室は、梅の間という名前に昨日変更したハズだろ!それくらい覚えなさい。何年わたしの秘書をやっているんだ。まったくけしからん!」
秘書「もうしわけありません。つい習慣で・・・」
社長「しょうがないな。それはそうと、今日の昼飯は何だ?」
秘書「冷やし中華です。」
社長「おーそうか、そうか。それにしても、腹減ったな。冷やし中華はもう出来たのか?それとも冷やし中か?なんちって。ガハハ。」
秘書「今日の社長はいつもより調子がよろしいようで。」
社長「ハハハ、そんなこというな。照れるじゃないか。いつもの調子だよ。銚子だけに海が近い、なんてな。ムハハハハ」
秘書「・・・・」
社長「なぜだまってる!!え!!それでもわたしの秘書か!」
秘書「申し訳ありません!!」
社長「まったく。」
秘書「ところで、第二会議室の名前は決まったんですか?」
社長「いま考えてる所なんだがな、アワビ・ルームというのはどうだろう。オシャレで今風の名前だとは思わないか?」
秘書「いいんじゃないでしょうか。」
社長「バカモノ!!ちっとも良く無いじゃないか。どこが良いんだ。適当に答えれば良いというモンじゃ無いぞ。まったく。最近の若者はこうだから困るな。」
秘書「す、すいません。」
社長「ほんとの所を言うとな、ホタテ・ルームというのが良いんじゃないかとおもってるんだ、なにしろ第三会議室は掘っ建て小屋だからな。掘っ建てだけにホタテがいいとおもってな。ハハハ。」
秘書「・・・すばらしいです。」
社長「だろ。よし、決めた、第二会議室はサザエ・ルームにすることにする。」
秘書「なぜ、突然サザエが・・・」
社長「黙れ!秘書は黙って聞いてれば良いんだ!!調子にのりやがって。」
秘書「もうしわけありません。しかし、なぜ第二会議室は貝の名前なんですか?」
社長「おぉ、それを言い忘れていたな。第一会議室は木、第二会議室は貝、第三会議室は動物、第四会議室は人の名前にすることにしたんだ。」
秘書「なるほど。」
どことなく釈然としない秘書であった。
戻る